ご意見・ご質問箱


 
 
  
   第31回 「ご意見・ご質問箱」


社員評価制度と給料の関係について
          
(大阪府堺市 54才男性、製造業)

  私は堺市で、製造業の社長をしています。
  当社は、この度経営コンサルタント会社に多額の費用を支払い、社員評価制度を導入致しました。
  私共中小企業と致しましては、大変な費用でした。
  先月のこのHPの「質問箱」にありますように、上司が部下を評価する方法です。

  先月の質問箱で奴田原先生が述べておられることは十分に認識できますが、当社の上司はDO社員が多く、(私的な心ではなく)ある程度公平な心で評価できたものと考えております。
  
しかしながら、この評価によって素晴らしい評価となった社員の給料が上げられないのです。
  それは企業の業績が上がらないからです。
  この社員の評価と給料制度についてどの様に考えればよいのかをご教示下さい。


 
 
この様な評価制度は逆効果となります。

  貴方は公平な評価が出来たものとお考えのようですが、私は決してその様には考えられません。
  本当は貴方自身が社員のことが全く分かっておられない可能性が大なのです。
  しかしながら、ここでそのことをいくら話してもラチが明きませんので、百歩譲って、仮に素晴らしい評価が出来たものとして仮定して回答させて頂きます。
  あくまでも仮定ですので、そのことを踏まえてお読み下さい。

  貴社はこの評価制度を何のために導入したのでしょうか?
  
このような評価制度を導入したうえで最も重要なことは、この制度での評価で素晴らしい評価の社員の給料をどうするかです。
  高度成長時代では、評価の良い程、昇給額を高くすること等も可能だったのですが、現在のように、毎年利益が減少していく企業破壊の時代では、評価に応じて昇給するなんて、とんでもない話です。
  DO社員がいくら揃っていても、それが実績(利益)として出てこなかったら、これは企業としては全く何の意味もありません。
  
利益が減っているのに、昇給していたら、結局は企業破壊(倒産)となります。

  又、この制度は社員側から見ても、非常に矛盾した制度なのです。
  「自分は、上司の評価は素晴らしいのに、給料が上がらないなんて・・・?。」
又は、
  「たったのこれ位しか上がらないなんて・・・?。」
  「これでは社会保険料等が上がって、反って手取りは減少する。上がらない方が余程マシだ。」
 「この会社は、いくら頑張っても給料が上がらない会社なんだ!!」
  ・・・と言うことになり、DO社員のやる気を(逆に)そぐことになります。
  これでは、何のための評価制度かは全く分かりません。
  
結果的に、この様な制度は、多額のお金をかけて、苦労して、DO社員のやる気をそぐ制度ということになります。
  (結論は、経営コンサルタント会社の詐欺に引っかかったのです。)
  
従って、私(奴田原)が提唱する「利益実績主義給料制度」こそが、今の時代に最も相応しい制度なのです。

  以上、宜しくご検討下さいませ。